これまで学んできたFreeHand8とMXはショートカットキーも変わってる。FreeHand MXを使ううえでの設定を考えるぞ。
環境:
最背面/最前面への移動
FreeHand8は[修正-重ね順-最背面へ][修正-重ね順-最前面へ]のショートカットキーはCtrl+B/Ctrl+Fだ。
FreeHandMXではCtrl+Bはテキストのボールド化、Ctrl+Fは検索・置換。ふつうのワープロぽい操作になってる。
文字中心の文書作成ならMXでいいんだろうけど、イラスト作成ならFreeHand8のほうがよいね。
というのもFreeHandはオブジェクトが前にあるか後ろにあるかが重要(ブレンドのときとか)なのに、前にあるか後ろにあるか知る方法は「実際にオブジェクトを重ねる」しかない。(というか塗りが なし のときは重ねてもわからない)
Adobe Illustrator9以降には[レイヤー]パネルの中にオブジェクト重ねを一覧できるリストがあるよ。同じMacromedia社製のFireworksMXにもある。なんでFreeHandにはないのさ?
なぜか ない。Fireworks使っててオブジェクトリストで前面背面並べ替えはよくするぞ。FreeHandにもあれば便利だろうけど ないんだ。
だからこそ Ctrl+F/B で手軽に最前面/最背面に移動させれるのは重要なんだよ。“最”前面に移動すれば、実際に重ねなくても、ほかのオブジェクトはそれより背面にあるって確定するからね。オブジェクトリストがなくてもなんとかするためには手軽なCtrl+F/Bがぜひともほしい。
FreeHandMXデフォルトでは最前面/最背面への移動が Ctrl+Shift+Up/Downか。これは押しにくい。左手だけでは押せない。
というわけで、FreeHandMXデフォルトのショートカットを変更する。
ところでFreeHand9は「ひとつ前面へ/ひとつ背面へ」のショートカットキーが Ctrl+Alt+Shift+F/K という入力しづらいものとなっている。これは「この機能は使う必要がない」とFreeHand開発者が暗黙に伝えようとしているのでは? それに比べてFreeHandMXの同ショートカットキーは Ctrl+Up/Down だからこれはMXのほうが使いやすく覚えやすい。
そこで結局、「重ね順 - 最前面/最背面へ」のショートカットキーには、FreeHandMXデフォルトも残しつつ、Ctrl+F/Bのショートカットキーでも最前面最背面操作できるようにする。
ショートカットキー変更のとき、ひとつのコマンドに複数のショートカットキーを割り当てることができるんだ。たとえば「修正 - 重ね順 - 最前面へ」コマンドに Ctrl+Shift+Up と Ctrl+F のどちらも割り当ててよい。
FreeHandMXには最初から「FreeHand8」「FreeHand9」のショートカットが用意されてるよ。それ使えばいいんじゃない?
Flash/Fireworksも使ってる関係上、できれば他のアプリに近い操作にしておきたい。たとえばFlashのシンボル化は[F8]とかライブラリパネル呼び出しは[F11]とか。なので「FreeHand9」のショートカットは使わず、デフォルトの 'Macromedia Standard' をすこし修正する方針でいこう。
こんなふうに割り当てたよ。
- [重ね順-最前面へ] Ctrl+F
- [重ね順-最背面] Ctrl+B
- [画面表示-ドキュメント全体] Ctrl+Q
- [編集-スーパーセレクト] Ctrl+T
- [編集-サブセレクト] Ctrl+Shift+T
Ctrl+Q は[ファイル-終了]だったのを[画面表示-ドキュメント全体]に変更した。オレはPhotoshop(CS4以降),Illustrator,Fireworks,Flash どれも Ctrl+1で100%表示、Ctrl+Qで全体表示、にしているんだ。
全体表示は Ctrl+0 に割り当てられてることが多いけど、左手だけで押せるほうが便利だからね。
スーパーセレクトとサブセレクトはMXデフォルトだとショートカットなし(スーパーセレクトはShift+^ つまり「~」で実行できるけど左手だけで使えなくて不便)なので、Ctrl+T, Ctrl+Shift+Tを割り当てた。いまいち使い道がわかっていないけど
- 【FreeHandで行こう!】その5 http://aspect.blog.so-net.ne.jp/2008-03-16
- FreeHand 入門編-4 ツールパレットと、環境設定の押さえどころ http://aspect.blog.so-net.ne.jp/2009-07-21
でショートカット割り当てを勧めていたので。
スーパーセレクト? どんなのかな
ちょっとスーパーセレクトとサブセレクト調べてみた。
クローン
IllustratorではCtrl+F/Bは「(同じ位置の)前面/背面へペースト」だね。
Illustratorではオブジェクトを同じ位置に複製するために、コピー(Ctrl+C)→前面へペースト(Ctrl+F)をよく使う。同じことはFreeHandの場合 Cloneでできる。
FreeHand8のCloneは Ctrl+Shift+C。
FreeHandMXでは Ctrl+Shift+D。
これは微妙な差。FreeHandMXデフォルトのままでいいか…。
グループ化解除
グループ化解除はFreeHand8はCtrl+Uだったけど、FreeHandMXはShift+Ctrl+G、これはMXのがいい。
その良い悪いってなにか基準があるの?
左手だけで押せるかどうか、が一つの基準だね。右手でマウス操作して左手でキーボードショートカット使うから、左手だけで押せないと。
複製
コマンド[編集-複製](Duplicate)だけど、
FreeHand9 や Illustrator では Ctrl+D
FreeHandMXでは Ctrl+Alt+D
FreeHand9のでいいように思えるが、FreeHandMXの [Ctrl+D 選択解除] も使ってみると いい感じだ。選択解除はIllustratorでは「オブジェクトのない空白地でCtrl+クリック」を使っていて、これはFireworksもFreeHandでも通用するのだが、Ctrl+Dのほうが早い。
複製は、選択解除と比べれば、そこまで頻繁に使うものでもないので、 Ctrl+Alt+Dのままでいいか‥‥
「複製」ってクローンとどこが違うの?
[編集-クローン]は コピー→「その場に」ペースト だけど、
[編集-複製]は コピー→「移動して」→ペースト だよ。
ところで、Illustratorでは Altキー押しながらオブジェクトをドラッグすればDuplicateできるんだけど、
前述の
- 【FreeHandで行こう!】その5 http://aspect.blog.so-net.ne.jp/2008-03-16
- FreeHand 入門編-4 ツールパレットと、環境設定の押さえどころ http://aspect.blog.so-net.ne.jp/2009-07-21
ではFreeHandの場合「option(Alt) + ドラッグでパスをコピー」をOFFにするべしと力説されている。
その場合、[編集-クローン]→オブジェクトを移動→[編集-複製]という手順になるんだ。
ちょっと試してみた。
「複製」「クローン」こんな違いだったのか
追記
[編集-クローン] Ctrl+Shift+C
[編集-複製] Ctrl+Shift+D にした。
上の例のように、クローン→複製 と続けて実行することが多いので、Ctrl+Shiftが共通してるほうが押しやすい。
Ctrl+Qは [ツール - ペン] に使うことにした。
- Photoshopみたいに600dpiの全体を見たいときは「100%表示」ではダメで「全体表示」が役に立つけど、Illustrator/FreeHandは100%表示でアートボード全体を見ることができる、つまり100%表示が全体表示のようなもの。だからFreeHandでは全体表示使わずともよい。
- FreeHandはペンツールでベジェ曲線書くのが軽快便利なのに、そのショートカットは P で、ほかのワンキーショートカットに変更できないんだよ。P は右手じゃ届かない。Illustratorなら Q に割り当てるとかできるのに。
FreeHandの場合、Ctrl等と組み合わせた複合キーショートカットなら[ツール - ペン]に設定できるから、Ctrl+Q に割り当てた。
Ctrl+Shift+Qを[修正-パスの操作-単純化]に割り当て。[エクストラ処理ツールバー]の中にあるけど、いちいちクリックするためにマウス移動するのもね。
スポイトツールにはshortcut割り当てられない。ショートカットキー設定の中に[ツール - スポイトツール]がないんだ。残念。Illustratorなら当然割り当てできる。
Illustratorならメニューにある[表示-ズームアウト]がFreeHandにはないんだな。機能にないからショートカット割り当てようもない。
ショートカットキー設定の自由度ではIllustratorが上だね。
2014年12月、また変えたぞ。
[編集-クローン] Ctrl+D
[編集-複製] Ctrl+Shift+D
にした。
Illustratorの「Alt+ドラッグ」操作はけっこう使うんだよ。それをFreeHandで「クローン+移動」でやるなら、クローンは使いやすくないとやってられない。
クローンと複製のショートカットをFreeHand MX標準とちょうど逆にしたのか。
あと、これも設定。
[編集-スペシャル-属性をコピー] Ctrl+Alt+C
[編集-スペシャル-属性をペースト] Ctrl+Alt+V
Ctrl+Shift+ のほうが押しやすいけど、Ctrl+Shift+V は既に「内部にペースト」に使われているからね。
属性のコピーというのはオブジェクトの塗り・線の色とか線の太さをコピーするやつか。これがあればスポイトツールを使用する頻度は減るよね。
2015年3月、禁断のリソース書き換えに手を出したぞ。
リソース書き換えとは?
Windows版FreeHand MX 11.0.1で
C:\Program Files (x86)\Macromedia\FreeHand MXa\Japanese\FhLangResource.dll
を書き換える。
なおWindows7には特殊な処理があり、C:\Program Files 以下のファイルをを直接書き換えたつもりでも結果として書き換わらないので、いったん別の場所にファイルをコピーして編集する。そのファイルをC:\Program Files 以下に上書きすることでファイル変更可能だ。
バイナリファイルなのかな
ResourceHacker http://angusj.com/resourcehacker/ を使うよ。これをインストールして、dllファイルをD&Dでopenする。
Accelarators/ACCEL/1041
を以下のように書き換える。
VK_F5, 627, SHIFT, VIRTKEY - VK_F6, 628, SHIFT, VIRTKEY + VK_Q, 628, VIRTKEY VK_F7, 629, SHIFT, VIRTKEY VK_F2, 630, SHIFT, VIRTKEY - VK_F13, 633, VIRTKEY - VK_F9, 634, VIRTKEY - VK_F10, 635, VIRTKEY + VK_R, 633, SHIFT, VIRTKEY + VK_X, 634, SHIFT, VIRTKEY + VK_S, 635, SHIFT, VIRTKEY VK_ESCAPE, 473, VIRTKEY
書き換えて [Compile Script]ボタン押下。[File - Save][File - Exit]。
C:\Program Files 以下に上書きしたあとはFreeHandの環境設定ファイルを初期化する(FreeHand終了→C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Macromedia\FreeHand MX\11
のフォルダを消す→FreeHand起動)
これで、以下を設定したことになる。「ただし問題がある‥‥」。
- [q]キーでペンツール
- Shift+[s]キーで伸縮(Scale)ツール
- Shift+[r]キーで回転(Rotate)ツール
- Shift+[x]キーで反転(Reflect)ツール
ちなみに書き換えた行の 628, 633,.. はResourceHackerで開いたときの
StringTable/40/1041 Menu/150/1041 Menu/152/1041
の中にある数字である。
ここの文字列を「ペン (P)」→「ペン (Q, P)」のように書き換えておくのもよい。
ついでに最初から設定されているがなぜかツールボックスには表記されていない
- [e]キーで消しゴムツール
- [g]キーで多角形ツール
なども
Menu/157/1041 StringTable/53/1041
を書き換えるとよいかも。
これでペンツールのショートカットキーを Ctrl+Q とかにしなくてよくなるのか。
ところで「ただし問題がある‥‥」ってなんなの?
テキストツールで文字入力するときやレイヤー名を入力するとき、q や Shift+r, Shift+s, Shift+xを入力しても文字を入力できなくなるのだ。ショートカットキーを押した扱いになる。「編集 - 環境設定 - テキスト - 常にテキストエディタを使う」でも入力不可。
それは困るのでは‥‥。リソース書き換えしないほうがいいんじゃないの?
Shift+q や r,s,x なら文字入力できるぞ。
回避方法は以下。
- IME(日本語入力システム)を通すと、つまり日本語入力後[F10]かCtrl+Tで半角英数にすることで q R S X の文字を入力できる。
- 別のソフトでテキスト入力して、FreeHandにコピーペーストする。
まあ便利なショートカットキーとのトレードオフという感じかな。個人的にはFreeHandでテキスト入力はあまりしないからこれでいいかも。
FreeHandに元からある「[p]キー押したらペンツール」の設定は変えられないのかな。
その設定はリソースファイルにはなかったし、[編集 - キーボードショートカット - ショートカット - 'Shortcuts unassigned'を選択]しても使用可能なショートカットだから、たぶん本体プログラムに埋め込まれてて変更不可なんだろうと推測している。