再描写の比較 FreeHand, Illustrator, CorelDraw

FreeHand 9 と 10 では描画モードに「Flashアンチエイリアス」が新たに加わった。

だけどこの「Flashアンチエイリアス」モード、FreeHandMXで なくなってるんだよ。


[話者C] あんましよくない機能だったのかい?


[話者A] いや、いいことが多い機能だ。

  • 描画モードのうち一番キレイだった「プレビュー」よりもキレイな表示
  • 再描画がまともに。
    今までの「プレビュー」モードは一つの画面表示するために何回も再描画してバタバタと見苦しい感じもあったが、この「Flashアンチエイリアス」の再描画は一度で最終型を表示するので、見苦しくない。そのかわり画面表示まで少し(体感で1秒くらい)待たされるが、「プレビュー」モードで何度も再描画している(体感で2秒くらい)のよりは早く表示する。


[話者C] いいことばかりだね。早くてキレイなのか


[話者A] でも、グリッドを表示しないなどの欠点もある。だから編集時に使うことは推奨されてないみたいだ。


FreeHand10とMXで実際に見てみるとこんな感じ。FreeHand10のサンプルを小さめに表示したあとで、「拡大」を一度だけ実行したときのキャプチャ画像だ。


FreeHand 10の「プレビュー」

描画モードが「プレビュー」のときは、いちいち画面をちょっとずつ書き換えて、再描画を何回もするんだ。「拡大」を一度実行しただけでこんなに待たされる。


FreeHand 10の「Flashアンチエイリアス

Flashアンチエイリアスのときは、「拡大」を実行すると、画面がしばらく空白になったあとでいきなり完成形だけ表示。


FreeHand MXの「プレビュー」

調べてみると、FreeHandMXの「プレビュー」モードの品質は、FreeHand9, 10の「Flashアンチエイリアス」同様のキレイさになっていた(このキャプチャ画像はGIFアニメなので減色で色変化がガタガタしてるけど実物はもっとなめらか)。でも再描画にバタバタするのはこれまでの「プレビュー」モードと同じ。


上のFreeHandのキャプチャ画像はすべて同じ時間間隔で撮影しているので、拡大にどのくらい時間かかるか見比べて比較できるよ。


[話者C]Flashアンチエイリアス」に比べると「プレビュー」は待たされるね。


[話者A] FreeHand10の「プレビュー」モードは、FreeHand10の上にほかのウィンドウ乗せて、そのウィンドウをどけるだけで再描画がかかって待たされる超イライラ仕様だ。拡大縮小したりオブジェクトをちょっと動かしただけですぐに再描画かかるので、作業しててイライラするだろ。

FreeHandMXの「プレビュー」モードは、ほかのウィンドウ乗せて、そのウィンドウをどけても、再描画にならなくなってる。すこしは進化している。


オレが思うに、このバタバタ表示はFreeHandは人気が出なかった理由の一つだと思う。オレの経験でも、PageMakerというソフトのWindows版さわってみたら、このバタバタ再描画だったのですぐに使うのやめたし。これがあると「安物ぽい」印象をうけたり、動作がとにかく遅い印象になる。


[話者C] それはどうかな

[話者A] 逆に言うとIllustratorではこのバタバタ表示でイライラした覚えがほとんどないんだよな。Illustrator CS4はFreeHand10のファイルをそのまま読めるので同様に試してみた。Illustratorの描画モードは「アウトライン」「プレビュー」の2モードしかない。

Illustrator CS4の「プレビュー」

CS4は拡大表示完了までがやたら早いよね。これは不満にならないレベル。


[話者C] イラレはこういうところがよくできてるんだね。
でも 1、2秒待つのってそんなに苦痛?


[話者A] それは当然だろ。TVゲームだと60分の2とか3秒で行動してるんだ。60分の60もあれば、スーパーコンボで形勢いっきに逆転されるぞ。


しかしIllustrator CS4は再描画のほうじゃないけど、UIの反応が鈍くなってるんだよね。Ctrl+N押して反応がないぞ‥‥2秒くらいしてやっと新規ファイルダイアログが出てきた‥‥とかさ。その重い代わりに、Adobe Configuratorというの使ってパネルを自作できるようになってるんだけど、そんなのいらないから軽くしてほしいな。

Webブラウザの世界はどんどんスピードアップしてて、GoogleChromeの速さにおいつこうとFirefox軽くなってきてる。Adobeにはライバルがいないから重くなってるのかも。


[話者C] アドビが重いのはいつものこと


[話者A] ちなみにドローソフトといえば CorelDraw バージョン13(X3)というのもあるのでついでに試してみた。FH10ファイルは読み込めないので、Illustrator CS4で 'Illustrator CS'形式aiファイルにして保存。それを読み込ませて「拡大」したときのキャプチャ画像。描画モードは6つあるうち、デフォルトの、そして一番キレイな表示であるらしい「エンハンスト(オーバープリント)」で表示している。

CorelDraw X3の「エンハンスト(オーバープリント)」

CorelDrawは、スペースキー押したときだけハンドツールとかCtrl+スペース+クリックで拡大とかのAdobe的操作がぜんぜんできなくて、Adobeに慣れた人にはとても使いづらい。再描写は並だね。ただ複数ページ対応でUnicodeにも対応して日本語PDF作れるみたいなので、文章作るとき使えるかも。使いこまないまま何年も過ぎてしまったけど‥‥


[話者C] キミ、使いもしないソフト買いすぎ


[話者A] 体験版を使い込んで吟味してから買うほうがいいね




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