これまで絵をExpression2とExpression3で描く方法を学んだけど、実際使ってみて思うのは
- Expressionって線を引くのは いい感じ。タブレットで ささっと直感的に引ける。
- でも「面を塗る」のがダメだ。ささっと塗れない。「輪郭をまず作って、面を作り、その面に色をつける」という まだるっこしい手順が必要になるのさ。
Expressionでは「塗り」が不満だったんだね。
そこで次はFlashを学ぼう。Flashは線引くのも面を塗るのも、タブレットのペンで ささっとできるのだ。
Flashって広告の動画とかに使われてるのでしょ?
そうだよ。でも、Flashは もともとお絵かきソフトだったし今でもお絵かきに使えるぞ。
今回はFlash CS3を使うぞ。
Flashのお絵かきツールとしては
[鉛筆ツール] ―― 「線」が引ける。
[ブラシツール] ―― 「面」を塗れる。
[消しゴムツール] ―― 「線」と「面」を消せる。
が重要だ。
この3つだと、「鉛筆」ツールで線を引いて、「ブラシ」ツールで色を塗るという役割になるのかな?
いや、そうともいえない。
鉛筆ツールだと筆圧きかないんだよね。
筆圧きかせて線の太さをコントロールできるのは「ブラシ」ツールだけなんだよ。だからブラシツールで線を描くことも、よくある。
上の図を説明するよ。
Flashのお絵かきでまず覚えるのは、
「線」と「面」は、Flashでは まったく違うということだ。
- 鉛筆ツールは「線」を引くことだけできる。
- ブラシツールは「面」だけ作れる。
上の図ではどっちも見た目は線を引いただけに見える。
でもFlash内部では ちがうものなんだ。
どう ちがうんだい?
ほら、「線」をアウトライン表示すると、太さがないだろ。
「線種」や「線の太さ」パラメータを指定すれば、表示上は太さをつけることができるけど、データ的には太さがない。いいかえると、「線」には面積がないんだ。
いっぽう、 「面」をアウトライン表示すると、輪郭が囲んでいて、面積があるということがわかる。
うーん……?
線のデータは、あとからいくらでも、見た目を変更することができる。
それは、面では変更できないってことだね。
面はすでに太さというか面積があるからね。面はこのようにグラデーション塗りができるよ。
……もう少し「線」と「面」について探ってみよう。
矩形ツールで、四角を作ってみる。Flash CS3の場合「オブジェクトの描画」をOFFにしておく。
面と線は、こんなふうに選択できるんだ。重ねると、下の部分が消えることもある。
重なると消えるってのは、ドロー系ソフトではめずらしいね。
重なっても消えないこともあるんだ。
調べてみた。
まずは、「面」と「面」、「線」と「線」をそれぞれ載せて、下が消えるのか調べます。
おっ、面が欠けた。
合体したww
次に、「面」と「線」の関係を見てみます。同じ色の場合と違う色の場合を一度に見ますよ。
へえー、線をのせても面は欠けないねぇ。
線は欠けるのか……。んんー、どうまとめればいいのよ。
「欠ける/欠けない」に注目すると、こう まとめられる。
Flashの「面」と「線」の関係
重ねた下の部分が欠ける
- 面を重ねると、線が欠ける
- 違う色の面を重ねると、面が欠ける
重ねた下の部分が欠けない
- 違う色の線を重ねても、線は欠けない
- 線を重ねても、面は欠けない
重ねた2つが合体する
- 同じ色の線を重ねると、線は合体する
- 同じ色の面を重ねると、面は合体する
「面/線」が上に来たときに注目すると、こう まとめられるな。
Flashの「面/線」の関係
面が上にきたとき
- 下にある違う色の面は、欠ける
- 下にある同じ色の面は、結合する
- 下にある線は、欠ける
線が上にあるとき
- 下にある面は、欠けない
- 下にある違う色の線は、欠けない
- 下にある同じ色の線は、結合する
……なんだか、つかめてきたぞ。
「面」が上にきたときは、下を(面でも線でも)塗りつぶしてしまうんだね。でも同じ色の面のときは結合してしまう、と。
そうだ。
この「面を塗ってるとき、同じ色の面のときは結合」のおかげで、ベクター系なのにブラシで塗りができるわけなんだよ。
Expressionもこれがあればよかったのになー。
ちなみにIllustratorはCS4で、この機能が「塗りブラシ」として機能追加されたぞ。
そういうことなのか。
Adobe Illustrator CS5 Windows版
- 出版社/メーカー: アドビシステムズ
- 発売日: 2010-05-28
- メディア: CD-ROM
おすすめ度の平均:
人物画描くにはちょっと不向き