パソコンではじめて絵を描く本 Expression2(3)

これまでのスレ


気がついたことの続きだ。


はい、どうぞ。

モミの木


いかにもベクターで描いた、という感じのカッチリした絵だ。
この絵はタブレット使わずにマウスだけで描いているんだ。


ふーん。キレイな感じだよ。


まず背景の青い部分だけど、これは単なる四角形。フチを「ソフトエッジ」でぼかしている。あと「テクスチャ」を適用して紙の質感をだしているんだ。

ペイントスタイルの設定は、「線」を なし、「塗り」を 単色塗りつぶしにして、「ペーパーテクスチャ」をONにしている。「ソフトエッジの幅」を50にすることでフチがぼかせる。


背景に舞っているポワポワしたのは、先ほどと同じく ただの円で、線なし・単色塗り・テクスチャON・ソフトエッジなのだが、
「不透明度」を指定しているんだ。これが100%だったら不透明つまり透過しないんだけど、これを下げると透明になってくるから、重ね合わせると後ろが透けて見える。不透明度には「線」のと「塗り」の不透明度の二つがあるんだけどここでは「塗り」のだけ指定している。ちなみにShiftキー押しながら不透明度変えると、両方一度に変わるよ。


不透明度って普段は使わない用語だね。


透明度のちょうど反対なんだ。透明度100%なら後ろがぜんぶ透けて見えるよね。これは不透明度0%と同じなんだ。


さて
モミの木の葉の部分は、まず三角形を3つ作る。

三角形の作り方はツールボックスの[ポリライン]で、直線を引いて三角形を作る。それを1つ作った後はコピー・ペーストで3つに増やす。

それを全部選択して(Shiftキー押しながら一つずつ選択するか、またはドラッグしてでてくる四角の範囲に全部ふくめる)、[オブジェクト - パス演算 - 結合]で1つに合体させる。


そのオブジェクトに、「グラデーション塗りつぶし」を指定するんだ。「放射状グラデーション」にする。


さらにこのグラデーションのかけ方を変える。上が明るいようなグラデーションにする。ツールボックスにある[グラデーションベクトル]ツールを選んで、モミの木の塗りの部分でドラッグする。ドラッグするときの始点がグラデの中心になる。


昨今のイラスト制作ではグラデーションは重要ですね。


次に星をつくるよ。
ツールボックスの[ポリライン]で、直線を引いて星を作る。それを「線」なし・単色塗りにするんだけど、「ソフトエッジの幅」をマイナスにすることで、盛り上がったような「エンボスエッジ」にできるんだ。マイナス10よりマイナス50のほうが盛り上がって見えるよ。


これはいいにょろ。


次はローソクを作ってみよう。スケルタルストロークで作るよ。

まず元絵を描く。
四角形でローソクのボディ。「線」なし・単色塗りで描くんだ。

次にローソクにラインを引きたいんだけど……。ベジェでやってもいいけど、このソフトはB-スプラインも使えるので、それでやってみようか。


ビー・スプライン?


ベジェ曲線は方向線があって操作しにくいんだ。昔はPostScriptプリンタで印刷物を作るためにベジェ曲線で作るしかなかったんだけど、今はベジェでなくてもいいはずなんだ。

B-スプラインは方向線がない点で操作しやすい。以下のように作る。

ツールボックスの[B-スプライン]を選び、丸してあるところでクリックする。とんがるところでは Alt+クリックする。
もしAltを押すのを忘れた場合、すべてつなげた後でツールボックスの[ノード変換]でまちがえたノード(点)をクリックすればよい。


これをコピーして、ローソクのボディの四角の上にペーストして並べる。
ペーストするときは、単にCtrl+Vするとすこしずれた位置にペーストされてしまう。そのばあい、Ctrl+F(前面にペースト)すればずれずにペーストされるので、それをカーソルキーで横に移動させる。


はみでてますよ?


このはみ出し部分は削除するよ。方法は、

  • まず、はみでてる黄色とローソクのボディを選択。
  • 次に、[オブジェクト - パス演算 - 分割] で分割。
  • はみ出た部分を選択して、Deleteキーで削除。
  • ローソクのボディを選択して、[配置 - 後面に] とすると隠れてしまった黄色の部分もあらわれる。


削除できた。


ローソクの火の部分を作る。
B-スプラインで作って、グラデーション塗り。


これをスケルタルストロークに登録するぞ。
ツールボックスの[ストローク定義ボックス]を選び、ドラッグしてローソクを囲む。
するとストローク定義ウィンドウが出てくる。

[→ (定義ボタン)]をクリックして、ストローク名をつけたら、これでスケルタルストロークに登録完了。


さっそくロウソクを立ててみましょう。


ツールボックスの[直線]を選び、ペイントスタイルで[スケルタルストローク]を選ぶ。直線を引くだけでロウソクをたてることができる。
もし太さが適切でないときは、ペイントスタイルの線の「太さ」の数字を変えて調整する。


ところでスケルタルストロークは、ペイントスタイル パレットに表示される [→] の向きに描写されるんだ。つまり「書き始めた始点 → 書き終わりの点」がローソクの場合[ローソクのしっぽ→ローソクのてっぺん] になっている。
だから、下から上に直線を引くようにすれば、ローソクの火が上に来るよ。


そうなんだ…



続き:パソコンではじめて絵を描く本 Expression2(4) http://d.hatena.ne.jp/ashakura/20090124